新株予約権発行(J-KISS型)の解説とファクタリングとの徹底比較!【スタートアップ/ベンチャーの資金調達】

新株予約権発行(J-KISS型)の解説とファクタリングとの徹底比較!【スタートアップ/ベンチャーの資金調達】

即日AIファクタリングPAYTODAYです。

本記事では弊社も苦労した資金調達について、新株予約権(J-KISS型)について解説させて頂きます。

スタートアップ/ベンチャーの起業時には、多額の資金が必要です。会社を立ち上げる費用もかかりますし、軌道に乗るまでの運転資金も用意しなければなりません。

その際、利用できるのが「新株予約権」です。

政府(経済産業省)も、ウィズコロナ期における有用な資金調達方法として新株予約権の発行を推奨しており、「J-KISS」とよばれる投資契約書のひな形も無料で公開されています。

今回は新株予約権による資金調達方法の概要やメリットをお伝えし、同じく資金調達方法であるファクタリング(請求者買取/先払い)と比較していきます。


なぜファクタリングと比較するのか、ある程度知識のある方は不思議に思うと思います。

最近スタートアップ/ベンチャー企業様からのファクタリング(請求書買取/先払い)サービスの相談で、「新株予約権発行(J-KISS型)の発行が遅れており、その間の短期間をファクタリングで資金調達したい」という問い合わせが増えており、相性が良いため紹介したいと考えました。

尚、ファクタリング(請求書買取/先払い)についてあまり詳しくない方は「ファクタリングとは?」の記事をご参照ください。

目次

新株予約権とは

新株予約権とは、将来的に発行会社へ権利行使を行って株式の交付を受けられる権利です。

新株予約権を引き受けると、定められた期間内に会社へ行使して代金を払い込むことにより、対象会社の株式を受け取れます。権利行使できる期間については税制適格とするため、「2年~10年以内」に定められるケースがほとんどです。

権利行使するときには、あらかじめ定められた方法によって計算された対価を払います。

起業後、会社の経営が好調で株価が上昇していれば、引受人は大きな利益を得ることができます。発行会社としても、新株予約権の引受人から払込を受け取れるので資金調達しやすくなるメリットがあります。

起業準備中や企業後間もないベンチャーでも、投資家へ新株予約権を引き受けてもらうことによって運転資金を得られます。

調達した資金の利用目的は制限されないので、準備費用や運転資金、債務の返済などに使えますし、事業拡大のための投資などに用いて会社を成長させることも可能となります。

新株予約権が注目されている社会的背景

現在、政府(経済産業省)が「コンバーティブル投資手段」として新株予約権発行を推奨しています

コンバーティブル投資手段とは、投資家が株式の取得に先立って会社へ資金を供給し、将来企業の経営状況が安定して企業価値評価を正確に行えるようになった段階で株式転換を行う方法をいいます。新株予約権はコンバーティブル投資手段の典型例です。

なぜ今、新株予約権が注目されているのか、社会的な背景をみてみましょう。

日本ではシード期における資金調達方法が未成熟

スタートアップ/ベンチャーが起業する際には多額の資金が必要ですが、日本では「シード期」における資金調達方法が未成熟と言われています。

シード期とは、企業が提供する予定の商品やサービスについて、アイデアや仕組みを検討、準備している時期です。準備段階なので、収益にはつながっておらず資金調達を受けるのは簡単ではありません。

欧米諸国では、シード期にコンバーティブル投資手段による資金調達が盛んに行われています。米国シリコンバレーではコンバーティブル投資手段が50%となっており、英国やドイツでもシード期資金調達の約3分の1はコンバーティブル投資手段となっています。

日本ではわずか10%にとどまっており、欧米先進諸国にならってコンバーティブル投資手段を普及させる必要性が指摘されています。

ウィズコロナ期において資金調達が困難になっている

現在、コロナ禍において各企業が資金調達に苦しんでいる状況です。

既存の企業でもコロナの影響で売上が低下し、資金不足で倒産せざるをえないケースがみられます。新興のベンチャー企業が資金を獲得するのは簡単ではありません。

そのような中、将来の企業価値へ投資を受けられる新株予約権が注目されています。

投資家にとっても企業価値の評価が難しくなっている

ウィズコロナ期においては、投資家サイドからも企業価値の見極めが困難となっています。

コロナの影響により企業価値が日々大きく変動し、将来においてどういった企業が伸びるのか見極めが難しくなっているからです。

将来企業価値が固まった時点において適正価格で投資できる新株予約権は、投資家にとっても安心できる投資手法といえます。

J-KISSとは

スタートアップ企業が新株予約権を発行する際、J-KISSを利用すると便利です。

J-KISSとは、アメリカのシリコンバレーで普及している投資契約書の日本バージョンです。

アメリカでは「KISS」とよばれる投資契約書が普及しています。KISSは「Keep It Simple Security」の頭文字をとった言葉で「簡潔かつ安全にすばやく資金を得る」ことがあらわされています。

コンバーティブル投資手段を利用してすばやくシンプルに投資契約を締結して資金調達を実現し、複雑な計算や企業価値算定、条件交渉は後の株式転換時に行えばよい、という考え方です。

アメリカの投資契約書である「KISS」に「Japan」の「J」を足したのが「J-KISS」です。J-KISSの投資契約書のひな形は無償で配布されているので、各企業が自由に利用できます。

またJ-KISSに関連して、資金調達で必要な手続き書類をセットにした「J-KISSパッケージ」というサービスもあります。J-KISSパッケージとは、司法書士監修のもとにJ-KISS型新株予約権の申込証や登記申請書、記載事項証明書等の必要書類がセットになっているものです。

また株式転換後の持分比率を計算できる「J-KISSシミュレーター」も利用できます。

新株予約権を用いて資金調達する場合、会社の資本政策上、持分比率は非常に重要です。事前にJ-KISSシミュレーターを活用することにより、最終的な株主構成も意識しながら安全に新株予約や株式転換の交渉を進められるメリットがあります。

日本企業もJ-KISSを利用する事例が増えており、たとえば朝日新聞が出資する朝日メディアアクセラレーターは、積極的にJ-KISSを使った投資を行っています。

今後、ベンチャーが資金調達するならぜひJ-KISSを使った新株予約権発行を検討してみましょう。

アーリー期以降のブリッジファイナンスでも活用できるコンバーティブル投資手段

新株予約権発行などのコンバーティブル投資手段は、シード期のみならずアーリー期以降にも活用できます。

アーリー期には、事業拡大や量産化に向けて多額の資金を要するケースが多数です。しかし現在のコロナ禍において、新興企業が潤沢な資金を得るのは簡単ではありません。また企業体力の弱い段階でコロナの流行や景気の変動によって影響を受けると、とたんに経営危機に追い込まれるリスクもあります。

そういったアーリー期のベンチャーにとって、迅速かつシンプルに資金を得られるコンバーティブル投資手段は非常に有用です。

リスク時において事業の存続をはかるだけではなく、好調な事業をさらに成長させるためのブリッジファイナンスとして、新株予約権の活用を検討する価値が注目されています。

実際にアーリー期においてコンバーティブル・ボンド(CB)を用いて約15億円の資金調達に成功した電力小売サービスの事例もあります。

新株予約権を発行するメリット

新株予約権を発行して資金調達を行うと、発行会社にとって以下のようなメリットがあります。

柔軟なインセンティブ設計ができる

新株予約権によって投資を募る場合、契約時に権利行使価格が固定されず、株式転換条件は、投資契約の内容により自由に設計できます。投資家の受けるインセンティブも事業内容や状況に応じて柔軟に設計できるメリットがあります。

また、スタートアップ企業側と投資家が権利行使条件を満たすために事業成長へのコミットメントを高めることも期待されます。

企業価値評価の先延ばしが可能

シード期におけるスタートアップ企業の価値評価は簡単ではありません。

実際に成長するかどうか未知数ですし、反対に予想外に大きく事業が伸びる可能性もあります。

新株予約権を発行する場合、企業評価時期を先延ばしできるので、投資家としても安心して投資できるメリットがあります。

一定の条件を定めておき、条件が達成された時期に権利を実行するように設定しておく方法もとれます。

迅速な資金調達

新株予約権を発行する手続きは、実際の株式取得による払込みと比べて手続きが簡易です。

株式転換されるまでは実際に株式が発行されていないので株主としての取り扱いは不要ですし、株主関係を調整するための契約締結等も必要ありません。

スタートアップ側としては、シンプルな手続きで迅速にファイナンスを実現できるメリットがあります。

資金の返済が不要

スタートアップ企業が資金調達する方法としては、金融機関からの融資もよく利用されます。

しかし融資を受けると、定期的に返済を継続しなければなりません。思うように売上や利益が上がらなければ返済が苦しくなってしまうリスクがあります。返済資金をプールするため、事業を成長させるための投資がおろそかになってしまう可能性もあり、返済金には金利も加算されます。

新株予約権発行による資金調達の場合、返済は不要なので企業の資金繰りを圧迫するおそれがありません。

敵対的買収への対策

新株予約権を友好的な投資家へ発行しておくと、敵対的買収への対策にもつながります。

将来、会社がファンドなどによって買収されそうなとき、友好的な株主が多ければ買収の危機を乗り越えられるのもメリットに数えられます。

新株予約権を発行するデメリット

新株予約権をむやみに発行すると、会社の所有権が分散されて既存の株主権が希薄化してしまいます。

創業者や代表者が多くの株式をもっていれば、自分の意思一つで会社の方針を決定できます。しかし新株予約権を多くの投資家へ発行して株主が増えると、創業者や代表者の一存では会社の意思決定が困難となります。また既存株主の権利が希薄化すると、株式価額も低下するおそれがあります。

新株予約権の発行によって資金調達するときには、発行数や持分比率について慎重に判断しなければなりません。J-KISSシミュレーターのサービスを用いて持分比率を試算しましょう。

新株予約権とファクタリングとの違い

起業後間もないスタートアップ企業が利用できる資金調達の方法として「ファクタリング」もよく利用されています。

新株予約権の発行とファクタリングによる資金調達の違いをみてみましょう。

資金調達方法 新株予約権 ファクタリング
スパンや迅速 2年~10年など長期 即日~数か月など短期
手続き スキーム構築、契約書作成などが複雑 簡易
手数料や費用 法律家に依頼する費用など ファクタリング会社へ支払う手数料
支払いや返済 なし 回収した債権を支払う必要がある
(返済は不要)
会社組織構成への影響 会社の所有権を譲渡する 影響なし
利用できる会社 将来が期待される株式会社 取引先へ債権を有する事業者

期間や迅速性        

新株予約権とファクタリングでは、手続きに要する期間が大きく異なります。

新株予約権の場合、政府も説明するように「実際の株式発行」よりはシンプルで迅速です。しかし権利行使条件を検討して契約書を作成する必要がありますし、権利行使時期は予約権の発行後2年~10年となり、権利が確定するまでには長期のスパンとなります。

一方、ファクタリングの場合には即日で資金調達できますし、1か月~数カ月後に自社で債権を回収してファクタリング会社へ払えば取引は完了します。

全体にかかる期間や迅速性の面では、ファクタリングの方が圧倒的に早いといえるでしょう。

手続き      

新株予約権とファクタリングでは手続きの複雑性も大きく異なります。

新株予約権を設定する際には、J-KISSの契約書ひな形を用いるとしても、複雑なステップを踏まねばなりません。株式転換権の行使時期や条件を定めなければなりませんし、投資家の募集や契約締結などの対応も要求されます。スタートアップ側で用意すべき書類や対応しなければならない事項も多々あり、専門家によるサポートが必須となるでしょう。

ファクタリングであれば、ファクタリング会社へ債権の資料を提示して審査を受け、完了すればすぐに資金を受け取れます。会社側が対応しなければならない事項はほとんどなく、手続きが極めて簡易です。

手数料や費用        

新株予約権を発行する際、弁護士や司法書士などの法律家によるサポートを受ければ相談費用や依頼費用がかかります。

ファクタリングの場合には、債権の額面額からファクタリング会社へ支払う手数料が差し引かれます。

かかる費用の性質や金額も大きく異なります。

支払いや返済        

新株予約権を発行して資金調達を受けたとき、後に投資家へ支払いや返済を行う必要はありません。発行時や権利行使時に投資家から払込みを受けるだけで、受け取ったお金は会社が全額自由に使えます。

ファクタリングの場合、取引先から回収した債権額をファクタリング会社へ払わねばなりません。

ただしファクタリングであっても「融資」ではないので「返済」は不要です。取引先からの回収が不可能な場合、ファクタリング会社へ払う必要はなく、不払いリスクはファクタリング会社が負担します

会社組織構成への影響

新株予約権とファクタリングでは、会社組織構成への影響が大きく異なります。

新株予約権を発行すると、将来権利行使されたときに投資家が会社の株主となります。つまり会社所有権の一部を売り渡す結果になり、会社経営に口出しされる可能性があります。

経営者の一存では経営方針を定められなくなるリスクが発生しますし、第三者へ株式を譲渡される可能性もあります。

ファクタリングの場合、会社の所有権や組織構成にはまったく影響しません。

代表者や共同設立者、親族などで株式を所有している場合でも、継続して自分たちだけで会社の意思決定ができるので安心です。

会社の意思決定権を維持したい場合にはファクタリングがおすすめです。

利用できる会社

新株予約権発行による資金調達を利用できるのは、基本的に「将来が期待される株式会社」です。そもそも株式会社でなければ新株予約権を発行できません。また、将来が期待されなければ投資家を募るのは困難です。有望で注目されている業者や分野の企業、成長が期待されるスタートアップなどに適します。

一方、ファクタリングであれば株式会社以外の事業者も利用できます。合同会社や特例有限会社、社団法人、NPO法人や個人事業主でもファクタリングで資金調達できますし、将来が有望視されていなくても、取引先への債権さえあれば資金調達が可能です。

実際、経営危機にひんした会社や斜陽の業界に属する企業、老舗企業なども多くがファクタリングを利用しています。

新株予約権とファクタリングは併用できる

新株予約権による資金調達とファクタリングは併用できます

たとえばシード期のスタートアップ企業が新株予約権で資金調達を行い、事業運営を開始した後、債権譲渡によってファクタリングを利用してかまいません。

新株予約権による資金調達は長いスパンで行うものであり、ファクタリングは短期的な資金調達です。両者は目的や利用場面が大きく異なるので、状況によって使い分けるのが効果的です。

新株予約権発行(J-KISS型)の解説とファクタリングとの徹底比較まとめ

今回も長くなりましたので、まとめてみます。

  • 新株予約権型(J-KISS)とファクタリングは全く異なるもので比較対象ではないです。そもそも用途が違います。
  • 新株予約権発行は、最近流行している手法であり、起業家は把握しておくことが重要です。こういう言い方をすると身も蓋もないですが、「企業価値評価のタイミングを先送りできる、企業価値の天井を設定した上で企業価値をフローティングさせる」というのは投資家にとってかなり都合がよいものです。(※シリコンバレーのやり方は、ゲームのルールを決めており、金融側に都合の良いものが多いのでこの点は理解した上で使用しましょう)。
  • 新株予約権発行までには弁護士確認等時間を要したりします。このクロージングが遅れた場合のブリッジファイナンスとして弊社ファクタリングサービスを利用されるお客様もいます。もし短期的な資金調達が必要になった場合は、お気軽にAIファクタリングPAYTODAYにお問合せください。

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