工期が長く支払いサイトも長期化しやすい建設業では、資金繰りに悩む会社が少なくありません。そこで注目したいのが、売掛金を早期に現金化できる「ファクタリング」です。本記事では建設業とファクタリングの相性が良い理由や注意点、選び方のポイント、おすすめのファクタリング会社12社をわかりやすく解説します。
建設業の資金繰りが厳しくなりやすい理由
ファクタリングの解説に入る前に、なぜ建設業で資金繰りの悩みが生じやすいのか、業界特有の構造から確認しておきましょう。他の業種と比べても、建設業には資金繰りを圧迫しやすい要因がいくつも重なっています。
重層下請構造による立て替え負担
建設業界には、大規模な工事ほど元請け・1次下請け・2次下請け・孫請けと発注が何段階にも連なっていく独特の商流があります。ピラミッドの下層に位置する会社ほど、自らが手配した資材や職人への支払いを先に済ませたうえで、上位の会社からの入金を待つ立場になりやすいのが実情です。工事が完成し検収が終わるまで報酬を受け取れない請負契約が基本であるため、この立て替え構造が資金繰りの負担を重くしています。
支払いサイトの長さと工期延長リスク
建設業の入金サイクルには特有の長さがあり、契約から検収・支払いまでの間に数か月単位のタイムラグが生じるのが一般的です。工事規模が大きくなるほどこの傾向は強まり、着工から半年前後の入金待ちになる現場も珍しくありません。加えて、自然災害や天候不良、資材不足、発注者側の都合による設計変更などで工期が延長すると、入金はさらに後ろ倒しになります。工期の延長は近年の建設業界における倒産理由の一つにも挙げられています。
銀行融資に通りにくい業界特性
建設業では現場ごとに規模や原価構造が大きく異なり、複数の工事を同時並行で進めるほど収支の見通しが立てにくくなります。こうした業績の波の大きさや原価管理の複雑さは、銀行が融資審査で重視する安定したキャッシュフローの証明を難しくする要因です。とくに長期プロジェクトを抱える会社は、着工から入金までの期間の長さがネックとなり、希望どおりの融資を受けられないことも少なくありません。
資材価格・人件費の高騰も追い打ちに
近年は資材価格や燃料費、人件費の高騰が続いており、着工時に見積もった原価と実際の支出との差が広がりやすくなっています。とくに工期が長いプロジェクトほど市況変化の影響を受けやすく、当初想定していなかったコスト増加が資金繰りをさらに圧迫する要因になっています。追加工事や設計変更が発生した場合も同様に、先行して支払う費用が膨らみやすい点には注意が必要です。
| 建設業の資金繰りを圧迫する主な要因 |
|---|
| 重層下請構造による立て替え負担 |
| 支払いサイトの長さ・工期延長リスク |
| 銀行融資に通りにくい業界特性 |
| 資材価格・人件費の高騰 |
ファクタリングとは?建設業との相性が良い理由
ファクタリングとは、自社が保有している売掛金(売掛債権)という「資産」を第三者であるファクタリング会社に買い取ってもらい、その対価から手数料を引いた金額を早期に現金として受け取る仕組みです。売掛金とは、工事や商品・サービスを提供した対価として、後日受け取る権利のことを指します。金融機関からお金を「借りる」融資とは根本的に仕組みが異なり、負債を増やさずに資金を確保できる点が大きな特徴です。
前章で見たとおり、建設業は工期が長く売掛金の入金までに時間がかかる業界です。入金前に現金化できるファクタリングは、こうした業界特有の資金繰りの悩みを解消する手段として、近年利用が急速に拡大しています。ファクタリングは融資よりも後発的に広まったサービスであるため、利用者側もある程度の知識を身につけたうえで、信頼できる会社を選ぶ姿勢が求められます。
ファクタリングの仕組み(2者間・3者間の違い)
ファクタリングには「2者間ファクタリング」と「3者間ファクタリング」の2つの取引形態があります。それぞれ関係者や手数料、資金調達までのスピードが異なるため、違いを理解したうえで自社に合った方式を選ぶことが大切です。
| 契約方式 | 関係者 | 手数料相場 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 2者間ファクタリング | 利用者とファクタリング会社 | 8%〜18% | 売掛先の承諾が不要でスピーディー |
| 3者間ファクタリング | 利用者・ファクタリング会社・売掛先 | 2%〜9% | 売掛先の承諾が必要な分、手数料は低め |
2者間ファクタリングでは、売掛先を契約の輪に入れず利用者とファクタリング会社だけでやり取りが進むのが特徴です。元請けや取引先に資金繰りの事情を知られたくない建設業者にとって、この非通知型の仕組みは使いやすさの大きな要因になっており、契約から入金までのスピードも速い傾向にあります。
一方、3者間ファクタリングでは、売掛先自身がファクタリング会社からの確認に応じる形になるため、架空債権や二重譲渡といった不正のリスクをファクタリング会社側が早い段階で見極められ、その分手数料も抑えられる傾向にあります。ただし、売掛先にファクタリング利用の事実が知られるため、経営状況を勘ぐられる可能性がある点には注意が必要です。
ファクタリングと融資の違い
| 比較項目 | ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 資金の性質 | 売掛金の売却(資産の現金化) | 借入(負債の発生) |
| 審査の重点 | 売掛先の信用力 | 自社の業績・信用力 |
| 赤字決算の場合 | 利用できる可能性がある | 審査に通りにくい |
| 担保・保証人 | 原則不要 | 必要になる場合が多い |
| 調達までの期間 | 最短即日〜数時間 | 数週間〜数か月 |
このように、ファクタリングと融資は資金調達の仕組みそのものが異なります。両者は排他的な選択肢ではなく、融資枠を温存しながらファクタリングで一時的な資金需要をまかなうなど、状況に応じて併用することも可能です。急ぎの資金需要にはファクタリング、低コストでまとまった金額を長期的に調達したい場合には融資、というように目的に応じて使い分けるのが基本的な考え方です。
建設業にファクタリング利用者が多い理由
建設業者にファクタリングの利用が広がっている背景には、業界特有の資金需要に応える複数のメリットがあります。ここでは代表的な理由を紹介します。
負債を増やさずに資金調達できる
ファクタリングは売掛金という資産の売却であり、金融機関からの借入とは仕組みが異なります。調達した資金が貸借対照表上の負債として計上されないため、経営事項審査(入札審査)や今後の銀行融資審査への悪影響を抑えながら資金を確保できます。財務状況が重視される公共工事の入札を控えた建設業者にとって、この点は大きなメリットです。
前金の準備や大型受注への対応がしやすい
建設業では、仕事を請け負った時点で材料費や外注費などの前払いが必要になるケースが多くあります。資金力に不安があると、大型案件の受注を断らざるを得ないこともあるでしょう。ファクタリングを利用すれば、完成後に受け取る予定の売掛金を前倒しで現金化できるため、前金の負担を解消し、数千万円から数億円規模の大型受注にも対応しやすくなります。たとえば、大型案件の受注により材料費の高騰分を前払いする必要が生じた場合でも、既存の売掛金を現金化することで、下請け企業への支払いを遅らせることなく工事を予定どおり進められます。
赤字決算でも利用できる可能性がある
銀行融資では自社の業績が赤字だと審査に通りにくい傾向がありますが、ファクタリングの審査で重視されるのは主に売掛先の信用力です。そのため、自社が赤字や税金の滞納中であっても、信用力の高い売掛先の債権を保有していれば利用できる可能性がある点は、資金繰りに悩む建設業者にとって心強いポイントといえます。
売掛先の倒産リスクを回避できる
現在主流となっているのは、売却した債権が回収不能になっても利用者に買い戻しを求めない「ノンリコース型」の契約です。つまり、取引先が万一倒産して代金が入ってこなくなった場合の損失は、原則としてファクタリング会社側が引き受ける形になります。重層下請構造の建設業界では、元請けだけでなく2次請け・3次請けなど間に入る会社の倒産リスクも存在するため、この保全効果は大きなメリットとなります。
突発的な資金需要や企業評価にも対応しやすい
建設業界では突発的な工事依頼が入ることも珍しくなく、また自然災害による工期延長や材料の買い増しなど、想定外の出費が発生することもあります。融資に比べて審査から入金までの時間が短いファクタリングは、こうした急な資金需要にも対応しやすい調達方法です。また、借入のように負債を増やさないため、対外的な企業評価を落とさずに資金を確保できる点も、入札を重視する建設業者にとってメリットとなります。
支払期間を柔軟に調整できる
建設業では請求発生から入金までの期間が2〜3か月程度になることも多く、その間は手元の現金が不足しがちです。ファクタリングを利用すれば、手数料はかかるものの必要なタイミングで売掛金を現金化できるため、実質的に支払期間を前倒しで調整することができます。仕事量が一時的に減少した時期の資金繰りを支えるセーフティネットとしても活用でき、繁忙期と閑散期の差が大きい建設業のキャッシュフロー管理と相性の良い調整手段といえるでしょう。
このほか、一般財団法人建設業振興基金による「下請債権保全支援事業」も、建設業とファクタリングの相性を後押しする制度です。この制度を使うと、下請け企業が手持ちの工事代金債権を対象にファクタリング会社の保証を付けられるようになり、万一元請けが経営破綻して支払いが止まっても、あらかじめ設定した保証枠の範囲で代金相当額を受け取れる仕組みになっています。結果として、元請けの経営悪化が下請け・孫請けへと連鎖する事態を防ぐ効果が期待できます。国土交通省が創設した制度で、保証料の一部が助成される点も見逃せません。
資金調達の具体例
たとえば、複数の現場を同時に抱える建設会社が、資材価格の高騰によって想定より多くの前払い費用が必要になったケースを考えてみましょう。銀行融資を申し込んでも審査結果が出るまでに数週間かかることが多く、着工スケジュールに間に合わない可能性があります。このような場合、保有している売掛金をファクタリング会社に売却すれば、最短即日〜数時間で資金を確保でき、材料の仕入れや外注費の支払いを滞らせることなく工事を進められます。
建設業がファクタリングを利用する際の注意点
ここまで紹介してきたように、ファクタリングには多くのメリットがある一方、利用する前に押さえておくべき注意点もあります。安心して活用するために、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
手数料が発生する・悪徳業者への注意
ファクタリングは借入ではないため利息は発生しませんが、売掛金額から差し引かれる手数料が発生します。前述のとおり2者間ファクタリングで8%〜18%、3者間ファクタリングで2%〜9%が相場とされており、これを大幅に超える手数料を提示する業者は悪徳業者の可能性があるため注意が必要です。
事務所の住所や固定電話の記載がない、契約書を用意しない、契約内容の説明が不十分といった業者は避け、必ず複数社から見積りを取って比較検討することをおすすめします。また、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に売却する「二重譲渡」は詐欺罪や横領罪に問われるおそれがあるため、絶対に行ってはいけません。手数料以外に事務手数料や登記費用などの諸費用が別途発生するケースもあるため、契約前には総額でいくら手元に残るのかを必ず確認しましょう。
売掛先の信用力に左右される
ファクタリングの審査では自社の業績よりも売掛先の経営状態が重視されるため、売掛先の業績が悪化していると審査に通らないことがあります。また3者間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要になるため、取引先から経営難を疑われる可能性がある点にも留意しましょう。さらに、譲渡禁止特約が付いた売掛債権は対応不可とするファクタリング会社もあるため、契約前に確認が必要です。
資金の使い道は自由だが計画的な利用を
ファクタリングで調達した資金には、融資のような使途の制限がありません。材料費や外注費の支払いだけでなく、突発的な出費にも柔軟に充てられる点はメリットですが、手数料が発生する以上、必要な金額を見極めて計画的に利用することが大切です。安易に何度も利用を重ねると、そのたびに手数料負担が積み重なり、かえって資金繰りを圧迫しかねない点には注意しましょう。
調達額には上限がある
調達できる金額は、あくまで保有する売掛金の額面が上限となります。売掛金以上の資金が必要な場合は、融資など他の調達方法と組み合わせる必要があります。また、ファクタリング利用時には、取引のある金融機関に事前に説明しておくと、売掛金の入金を見込んだ融資判断とのずれが生じにくくなり、その後の融資関係にも影響が出にくくなります。
契約書の内容を必ず確認する
契約書に記載された手数料の内訳や償還請求権の有無、債権譲渡登記の要否などは、会社によって条件が異なります。口頭の説明だけで契約せず、書面の内容を細部まで確認したうえで契約することが、後々のトラブルを避けるうえで重要です。不明点があれば契約前に必ず問い合わせて解消しておきましょう。
建設業向けファクタリング会社の選び方
数多くのファクタリング会社の中から自社に合った1社を選ぶために、以下のポイントを確認しましょう。会社によって得意とする業界や契約方式、対応スピードが異なるため、条件を整理してから比較することが失敗しない選び方につながります。
| 分類 | チェックポイント | 確認する理由 |
|---|---|---|
| コスト | 手数料の水準 | 相場から極端に外れていないか(2者間8〜18%・3者間2〜9%が目安) |
| コスト | 買取限度額 | 大口の売掛金にも対応できるか |
| スピード・柔軟性 | 入金スピード | 急な資金需要に間に合うか(最短即日〜数時間の会社もある) |
| スピード・柔軟性 | 2者間ファクタリングの対応 | 売掛先に知られずに利用できるか |
| 実績・専門性 | 建設業界での取扱い実績 | 重層下請構造など業界特有の事情に精通しているか |
| 実績・専門性 | 長期の支払いサイトへの対応 | 建設業特有の長い支払いサイトの売掛金でも買い取ってもらえるか |
| 実績・専門性 | 注文書ファクタリングの対応 | 請求書発行前の受注段階で現金化できるか |
上記を「コスト」「スピード・柔軟性」「実績・専門性」の3つの観点に整理して比較すると、自社が何を優先すべきかが見えやすくなります。
建設業界での取扱い実績が豊富な会社であれば、重層下請構造や長い支払いサイトといった業界特有の事情を理解したうえで審査を進めてくれるため、手続きがスムーズです。また、建設業では売掛金の金額が大きくなりやすいため、買取限度額に上限を設けていない、あるいは高額に設定している会社を選ぶと安心です。
とくに注文書ファクタリングは、請求書が発行される前の受注段階で資金化できるサービスで、着工前に材料費や外注費といった多額の初期費用が発生しやすい建設業との相性が良い仕組みです。対応の有無も選定時にあわせて確認しておきましょう。オンライン契約に対応している会社であれば、来社や郵送の手間を省き、契約までの時間を短縮しやすくなります。
手数料は売掛先の信用力や支払いサイトの長さ、契約方式によって変動するため、1社だけの提示条件で判断せず、複数社から見積りを取ったうえで比較することが大切です。担当者が建設業界に精通しているかどうかも、審査や相談のスムーズさに直結するポイントとして確認しておくとよいでしょう。
建設業におすすめのファクタリング会社12選
ここまで解説してきた選び方のポイントを踏まえ、建設業での取扱い実績があるファクタリング会社を、法人向け・個人事業主向けに分けて紹介します。手数料や入金スピード、買取可能額は会社ごとに異なるため、自社の状況に合わせて比較しながら検討してみてください。
法人向けにおすすめの会社
| 会社名 | 手数料 | 入金スピード | 買取可能額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| PAYTODAY | 1%〜9.5% | 最短30分 | 上限なし | 上限手数料9.5%と業界最安レベル、建設業の取扱い実績も豊富 |
| ビートレーディング | 2%〜12% | 最短2時間 | 上限なし | 取引実績9万社超、注文書ファクタリングにも対応 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 1.5%〜 | 最短3時間 | 上限・下限なし | 非営利団体運営で業界最低水準の手数料 |
| PMG(ピーエムジー) | 1%〜10% | 最短30分審査 | 50万円〜上限なし | 全国10拠点で対面相談もしやすい |
| QuQuMo(ククモ) | 1%〜 | 最短2時間 | 上限なし | 2者間ファクタリングに特化しオンライン完結 |
| トップ・マネジメント | 非公開 | 最短30分〜数時間 | 30万円〜3億円 | 見積書・発注書でも資金調達が可能 |
| アクセルファクター | 0.5%〜20% | 最短即日 | 30万円〜1億円程度 | 経営革新等支援機関の認定を受けた運営会社 |
PAYTODAYは、手数料が1%〜9.5%と上限手数料9.5%という業界最安レベルの水準が強みのファクタリングサービスです。買取可能額に上限を設けていないため、建設業で発生しやすい多額の売掛金にも対応でき、最短30分というスピーディーな資金化にも対応しています。建設業の取扱い実績も豊富で、重層下請構造や長い支払いサイトといった業界特有の事情を踏まえた対応が期待できるため、まず検討したい1社です。
ビートレーディングは取引実績9万社を超える大手ファクタリング会社で、必要書類は売掛金に関する資料と入出金明細の2点のみと手続きがシンプルなことが特徴です。東京・仙台・名古屋・大阪・福岡など全国に拠点を持ち、建設業者との取引実績も豊富なため、初めて利用する場合でも相談しやすいでしょう。受注時の注文書を対象としたファクタリングにも対応しており、着工前の資金調達にも活用できます。
日本中小企業金融サポート機構は非営利団体が運営しており、業界でも低水準の手数料で利用できます。買取金額の上限・下限を設けていないため、少額の資金調達から大口の債権まで幅広く対応できる点も特徴です。経験豊富なスタッフによるサポート体制が整っており、ファクタリングの利用が初めての事業者でも安心して相談できます。
PMG(ピーエムジー)は全国10拠点を構えており、オンラインだけでなく対面での相談がしやすい点が強みで、財務支援などファクタリング以外のサポートも行っています。プライバシーマークやISO27001を取得しており、情報セキュリティ面でも安心して利用できるサービスです。
QuQuMo(ククモ)は2者間ファクタリングに特化し、クラウドサインを利用したオンライン完結の契約で情報漏洩の心配も少なくなっています。売掛金の買取限度額に上限がないため、建設業で発生しやすい多額の売掛金にも対応しやすいサービスです。
トップ・マネジメントは見積書や発注書のみで資金調達できるサービスも展開しており、請求書発行前でも申し込みやすい点が特徴です。専用のバーチャル口座を使う2.5者間ファクタリングなど、独自のサービス形態を複数用意しているのも強みといえます。
アクセルファクターは即日対応を原則としており、他社で断られた場合でも利用できる可能性があります。関東財務局・関東経済産業局から経営革新等支援機関として認定を受けており、専門性の高いサポートを受けられる点も安心材料です。
個人事業主・建設業特化型のサービス
| 会社名 | 手数料 | 入金スピード | 買取可能額 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| けんせつくん | 5%〜 | 最短2時間 | 上限なし | 建設業界専門、注文書での審査にも対応 |
| 土建くん | 5%〜 | 最短60分 | 10万円〜3,000万円 | 建設業界専門、出来高・検収など建設特有の流れに対応 |
| ベストファクター | 2%〜20% | 最短即日 | 30万円〜1億円 | 電話相談で最短5分の回答、個人事業主にも対応 |
| アンカーガーディアン | 3%〜 | 最短即日 | 〜5,000万円 | 西日本特化、柔軟な審査に定評 |
| Mentor Capital | 非公開 | 最短即日 | 非公開 | 年間3,000件以上の取引実績 |
けんせつくんと土建くんは、いずれも建設業界に特化したファクタリングサービスで、業界出身のスタッフが在籍し、出来高・出来形・検収といった建設特有の商慣習を踏まえた対応をしてくれる点が強みです。請求書だけでなく、受注時の注文書でも審査してもらえるため、着工前の早い段階から資金調達を検討できます。土建くんは書類提出の順番を柔軟に調整できるなど、来社や郵送の往復を減らす工夫がされています。
ベストファクターは電話相談から最短5分で買取可否がわかり、即日入金にも対応しています。個人事業主からの相談にも積極的に対応しており、幅広い資金需要者に対応しているのが特徴です。
アンカーガーディアンは西日本エリアに特化し、債務超過や税金の滞納中でも柔軟に審査してくれる点が特徴です。サイト上で買取可能額を自動計算できる診断機能も用意されており、初めての利用でも目安を把握しやすくなっています。
Mentor Capitalは年間3,000件以上の取引実績を持ち、豊富な実績を武器に初めてファクタリングを利用する事業者にも安心感のあるサービスを提供しています。経営コンサルティングも行っているため、資金調達だけでなく経営面の相談も併せて行いたい場合に適しています。
いずれも建設業での取扱い実績があるファクタリング会社です。売掛金の規模や急ぎ度、法人か個人事業主かによって適した会社は異なるため、複数社から見積りを取り、手数料や対応スピード、担当者との相性を比較して選ぶことをおすすめします。とくに初めて利用する場合は、手数料の安さだけでなく、建設業界特有の事情を理解したスタッフが対応してくれるかどうかも重視すると、安心して取引を進めやすくなります。
建設業でファクタリングを利用する流れ
ファクタリングを申し込む際の基本的な流れは、どの会社を利用してもおおむね共通しています。
- 相談・申し込み:電話やオンラインフォームからファクタリング会社に問い合わせる
- 必要書類の提出:請求書や注文書など売掛金に関する資料、通帳のコピーなどを提出する
- 審査:売掛先の信用力を中心に審査が行われる(最短30分程度で結果が出る会社もある)
- 契約:審査通過後、契約内容に合意して契約を締結する(オンライン完結の会社も多い)
- 入金:契約成立後、指定口座に売却代金が入金される(最短即日〜数時間)
2者間ファクタリングの場合は、後日売掛先から入金された売掛金を、利用者がファクタリング会社へ送金するところまでが取引の完了となります。送金を怠ると横領罪などの刑罰に問われるおそれがあるほか、売掛先との今後の取引にも悪影響が及ぶため、必ず期日どおりに送金しましょう。
オンライン契約に対応しているファクタリング会社であれば、来社の手間を省いて申し込みから契約までを完結できるため、現場の合間に手続きを進めたい建設業者にとって利便性が高いといえます。一方で、担当者と直接顔を合わせて相談したい場合や、契約内容を丁寧に確認したい場合は、対面での面談に対応している会社を選ぶのもよいでしょう。
建設業のファクタリングに関するよくある質問
Q. ファクタリングは違法ではないの?
結論として、ファクタリング自体は債権譲渡という民法上の仕組みを使った合法な資金調達手段です。2020年4月施行の改正民法では、譲渡禁止特約が付いた債権であっても譲渡そのものは有効と扱われるようになりました。注意すべきは、「ファクタリング」を名乗りながら実態は高金利の貸付けにあたる偽装ファクタリングや、個人の給与債権を買い取る給与ファクタリングです。これらはヤミ金融と同様の違法な取り立てに発展するケースが報告されており、業者選びの段階で見極める必要があります。
Q. ファクタリングを利用すると銀行融資に影響する?
ファクタリングは借入ではないため、調達した資金は負債として計上されず、金融機関からの評価を悪化させることは基本的にありません。ただし、売掛金の入金を見込んで融資を行っている金融機関もあるため、利用前に取引先の金融機関へ説明しておくと、その後の関係がスムーズです。
Q. 建設業特化型のファクタリング会社を選ぶメリットは?
建設業特化型のファクタリング会社は、支払いサイトの長い売掛金にも対応しやすく、重層下請構造や出来高・検収といった業界特有の商慣習に精通したスタッフが在籍しているため、審査や相談がスムーズに進みやすい点がメリットです。
Q. ファクタリングの手数料に消費税はかかる?
ファクタリングは売掛債権という有価証券の譲渡にあたるため、手数料そのものは消費税がかからない非課税取引です。ただし、債権譲渡登記を行う際の司法書士報酬や登録免許税など、付随する費用の一部には課税されるケースがある点は覚えておきましょう。
Q. ファクタリングの審査に落ちることはある?
ファクタリングは融資に比べて審査に通りやすいといわれますが、必ず利用できるわけではありません。売掛先の経営状態が著しく悪い場合や、売掛金の存在を裏付ける書類が不十分な場合には、審査に通らないことがあります。1社の審査に落ちても、他のファクタリング会社であれば条件が合う場合もあるため、複数社に相談してみるとよいでしょう。
Q. ファクタリング以外に建設業が利用できる資金調達方法は?
ファクタリング以外にも、日本政策金融公庫の融資、銀行のプロパー融資、信用保証協会の保証付き融資、ビジネスローンなどの選択肢があります。ただし、いずれも審査に時間がかかったり、赤字決算では利用しにくかったりする面があるため、急ぎの資金調達にはファクタリングが適しているケースが多いといえます。資金需要の緊急度や金額に応じて、複数の調達方法を使い分けることが資金繰り改善の近道です。
Q. 個人事業主の建設業者でもファクタリングは利用できる?
個人事業主であってもファクタリングを利用することは可能です。ベストファクターやアンカーガーディアン、Mentor Capitalなど、個人事業主からの相談に対応しているファクタリング会社は複数あります。ただし会社によって対象者や必要書類、買取可能額が異なるため、事前に条件を確認しておきましょう。
Q. どのくらいの支払いサイトの売掛金まで買い取ってもらえる?
対応可能な支払いサイトの長さは会社によって異なります。一般的なファクタリング会社では数十日程度までとする場合もありますが、建設業特化型のファクタリング会社の中には、90日以上の長期の支払いサイトの売掛金にも対応しているところがあります。建設業では支払いサイトが長期化しやすいため、この点も会社選びの際に確認しておきたいポイントです。
Q. 下請債権保全支援事業はどのように利用できる?
下請債権保全支援事業は、国土交通省が創設した制度で、対応するファクタリング会社を通じて申し込むことができます。前述のとおり、下請建設企業が保有する工事請負代金債権に保証を付けられる仕組みで、元請け企業の経営破綻による連鎖倒産を防ぐ効果が期待できます。対象となる要件や保証料の助成条件は制度改定により変わることがあるため、利用を検討する際は取扱いのあるファクタリング会社や国土交通省の窓口に最新情報を確認しましょう。
ファクタリング以外で資金繰りを改善する方法
ファクタリングは有効な資金調達手段ですが、あわせて日頃からの資金繰り管理や、他の調達方法との使い分けを意識しておくことも大切です。急場をしのぐための手段だけに頼るのではなく、平時から複数の選択肢を把握しておくことで、いざというときにも落ち着いて対応できます。
資金繰り表を作成する
資金繰り表は、日々発生する入金と出金を時系列で書き出し、いつ・どれだけ手元資金が不足しそうかをあらかじめ見える化するための管理表です。たとえば向こう3か月分の入出金予定を月次・週次で並べておけば、資金がショートしそうなタイミングを事前に把握でき、ファクタリングの申し込みや追加融資の相談を余裕をもって進められます。銀行やファクタリング会社への説明資料としても活用できます。
日本政策金融公庫の融資を検討する
日本政策金融公庫は、財務省所管の特殊会社として中小企業や個人事業主の資金繰りを支える公的融資機関です。民間銀行より低い金利水準で融資を受けられる制度が複数用意されており、創業期の事業者向けメニューも充実しています。ただし審査には決算書や事業計画書の提出が必要で、実行までに一定の時間がかかる点は踏まえておく必要があります。急ぎの資金需要にはファクタリング、計画的な設備投資や運転資金の確保には低金利の公的融資、というように目的に応じて組み合わせるのがおすすめです。
信用保証協会の保証付き融資・オンライン融資
信用保証協会の保証が付いた融資(マル保融資)は、公的機関の保証により銀行から融資を受けやすくなる制度です。返済期間も比較的長く設定できるため、大きな設備投資などまとまった資金需要に向いています。また、オンライン融資は、来店や対面での面談なしに、ウェブ上の入力とオンライン審査だけで融資の可否から実行までが完結するサービスです。銀行融資より早く資金化できる反面、金利は高めに設定されていることが多いため、借入総額に対する返済負担を事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
まとめ
ここまで、建設業の資金繰りが厳しくなりやすい理由から、ファクタリングの仕組みや相性が良い理由、利用時の注意点、会社選びのポイント、おすすめのファクタリング会社12選までを解説してきました。建設業は重層下請構造や長い支払いサイト、原価管理の複雑さといった業界特性から、資金繰りが厳しくなりやすい業種です。ファクタリングを活用すれば、負債を増やすことなく売掛金を早期に現金化でき、前金の準備や大型受注への対応、赤字決算時の資金調達、売掛先の倒産リスク回避、支払期間の調整など、建設業特有の悩みを幅広く解決しやすくなります。
一方で手数料の発生や売掛先の信用力に左右される点、悪徳業者の存在には注意が必要です。建設業界での実績・手数料・入金スピード・買取限度額・注文書対応の有無などを比較したうえで、複数社から見積りを取り、自社の状況に合ったファクタリング会社を選びましょう。あわせて資金繰り表の作成や他の資金調達方法との使い分けを意識することで、より安定した経営基盤を築くことができます。
資金繰りの不安を一人で抱え込まず、まずは複数のファクタリング会社に見積りを依頼し、自社の売掛金がどの程度の条件で現金化できるのかを把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。早めに情報を集めておくことが、いざというときの資金ショートを防ぐ一番の備えになります。

