【元弁護士が解説】 請求書偽造/二重譲渡でファクタリングを行ったら自己破産できる?

【元弁護士が解説】 請求書偽造/二重譲渡でファクタリングを行ったら自己破産できる?

本記事では「ファクタリングを利用するときに請求書を偽造したり債権を二重譲渡したりすると、後に自己破産できるのか?」という疑問にお答えします。

結論として、ファクタリングの申込みの際、偽造の書類を使い虚偽申告をしたら、自己破産できなくなってしまう可能性は高く、刑法上の犯罪も成立するので絶対にやってはいけません。

請求書の偽造や二重譲渡をすると、以下のようなリスクが発生します。

予想外のトラブルに巻き込まれることのないよう、正しい知識を身につけましょう。

この記事の概要
  • 社長が会社の負債を個人保証していて個人破産する場合や個人事業主の場合、自己破産しても「免責」を受けられなくなる可能性がある
  • 免責を受けられたとしてもファクタリング会社の損害賠償債務は残ってしまう可能性が高い
  • 契約書や請求書を偽造してファクタリング会社へ提出すると「私文書偽造罪」や「変造罪」「偽造(変造)私文書行使罪」が成立する可能性がある
  • ファクタリング会社をだましてファクタリングの譲渡代金を受け取ると「詐欺罪」が成立する
  • ファクタリング会社との契約違反になって損害賠償請求をされたり刑事告訴されたりする
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目次

請求書の偽造と自己破産

ファクタリング(請求書買取サービス/先払い)を申し込むときに請求書を偽造したら、自己破産できなくなるのでしょうか?

結論としては「法人(会社)自身は自己破産できるけれど、代表者は負債を免除してもらえない可能性が高くなります」。

以下でその理由をみていきましょう。

請求書や契約書の偽造、変造とは

ファクタリングを申し込むときには、ファクタリング会社へ「譲渡する債権」を提示しなければなりません。そのとき、実際には債権がないのに架空の債権をでっちあげる人がいます。そのために請求書や契約書を偽造、変造するのです。

たとえば実際には取引がないのに架空の請求書や契約書を勝手に作成したり、もともとある請求書や契約書の金額や名義を書き換えたりするケースなどが存在します。

なお偽造とは他人名義の書類を勝手に作成する行為、変造とはすでにある他人名義の文書を書き換える行為です。

偽造、変造しても法人は破産できる

請求書や契約書を偽造、変造した場合の自己破産への影響は、「法人(会社)」と「個人(代表者)」とで異なります。

以下ではまず、法人の破産が可能なのか、みていきましょう。

法人の自己破産が認められるための要件は「支払不能」または「債務超過」です。支払不能とは、今後将来にわたって負債の返済を継続できないこと、債務超過は負債額が資産額を上回る状態をいいます。

実は法人の場合「債権者をだました」としても、自己破産できます。偽造した請求書や契約書を使ってファクタリングを利用したとしても法人の破産自体は認められ、負債とともに法人自体が消滅する可能性が高いと考えられます。

代表者個人は破産できないリスクが高くなる

「個人」については法人のようにはいきません。

通常、破産するときには「会社」だけではなく「代表取締役(経営者)」も一緒に破産しなければならないケースが多数です。多くの会社では、借り入れの際に代表取締役が会社の「連帯保証人」になっているためです。

会社だけ破産させても代表取締役が保証人として支払わねばならないので、負債を免れるには代表者も破産しなければ意味がありません。

個人破産には免責不許可事由がある

個人の破産には「免責不許可事由」というルールが適用されます。免責不許可事由とは、該当すると「免責」してもらえない事情です。免責とは、負債を免除してもらえる決定であり、免責されなかったら負債が全額残ってしまいます。

個人破産で免責不許可事由があると、自己破産しても負債が免除されず全額残ってしまう可能性があり、自己破産する意味がなくなってしまうのです。

詐術は免責不許可事由になる

「本当は返済できる状態でないのに返済できるフリをして資金調達」したら「免責不許可事由」に該当します。このように「支払いの意思や能力がないのに嘘をついて資金調達を申し込むこと」を「詐術(さじゅつ)」といいます。

支払いができる状態ではないのに請求書を偽造してファクタリングを申し込むと「詐術」となって代表者が「免責不許可事由」に該当し、連帯保証債務を免除してもらえないリスクが発生してしまいます

非免責債権になる可能性

代表者の個人破産に際し「非免責債権」というルールも問題になります。

「非免責債権」とは、破産しても免除してもらえない債権です。

「税金」や「罰金」などいくつか非免責債権の種類がありますが、その中に「悪意で行った不法行為にもとづく損害賠償請求権」があります。

悪意で行った不法行為とは、「積極的に相手を傷つけてやろう」と意図して行った不法行為で、典型的には詐欺や横領などの犯罪行為が該当します。

後に詳しく説明しますが、文書の偽造や変造、偽造文書の行使をすると「私文書偽造罪」「偽造私文書行使罪」「詐欺罪」などの犯罪が成立します。すると被害者であるファクタリング会社からは「損害賠償請求」をされるでしょう。

悪意にもとづく不法行為によって損害賠償請求をされると「非免責債権」となるので、その負債は自己破産しても免除してもらえません。

代表者個人が破産を申し立てても、ファクタリング会社からの損害賠償債務が免責されずに残ってしまうリスクがあります。

非免責債権と免責不許可の違い

非免責債権と免責不許可は混同されやすいので違いを解説します。

詐術によって「免責不許可」になった場合、「負債の免除」自体が行われないので「負債が全部」残ります。ファクタリング以外の支払い義務(金融機関からの連帯保証債務など)もすべて残ってしまい、全額を支払わねばなりません。

一方、非免責債権の場合には「非免責債権のみ」が残ります。ファクタリング会社からの損害賠償債務のみが残り、他の負債は免除されるので金融機関からの融資の連帯保証債務などは免除されます。

いずれにしても自己破産後にも支払いをしなければならないのは大きなリスクとなりますので、絶対にやってはいけません。

結論

以上より請求書を偽造しても法人自身は破産できますが、代表者の免責が認められない可能性が高くなります

そうなったら、破産手続きによって代表者の財産がすべてなくなっても、ファクタリングや金融機関の連帯保証債務、税金や保険料などの負債が全部残ってしまい、元代表者は個人的に支払い続けなければなりません。

裁量免責を受けられたとしても、ファクタリング会社の負債は非免責債権となって支払わねばならないでしょう。

請求書や契約書の偽造は絶対に行ってはいけません。

二重譲渡と自己破産

ファクタリングを行うとき「債権の二重譲渡」をしてしまう方もときどきおられます。

二重譲渡とは

二重譲渡とは、1つの債権を複数の相手に譲渡する不正行為です

資金繰りに困った会社は1つのファクタリング会社にある債権を譲渡して資金調達を受け、その後同じ債権を別のファクタリング会社に譲渡して新たに別資金を調達するケースが少なくありません。ところが後に弁済期が来たとき、支払いを受けられるのは当然1社だけなので、支払いを受けられなかったファクタリング会社は損害を受けます。

またファクタリングでは通常「2社間ファクタリング」が利用されるケースが多く、債権譲渡の対抗要件を備えないのが通例です。すると「対抗要件」によって優劣を決するのも難しくなって混乱が極まります。

このように二重譲渡を行うとファクタリング会社に多大な迷惑と損害を発生させてしまうので、本来絶対やってはいけない行為です。

二重譲渡と自己破産

では二重譲渡すると自己破産できなくなるのでしょうか?

この点についても、基本的には請求書偽造のケースと似た結論になります。

法人は破産できる

法人の場合には、たとえ二重譲渡してファクタリング会社をだましたとしても破産できます。ただし債権者集会が紛糾したりして、破産手続きが滞る可能性はあるでしょう。

代表者個人は免責されない可能性が高い

代表者の個人破産については「免責不許可事由」に該当して連帯保証債務などの負債の免除を受けられないリスクが高いです。

債権を二重譲渡してまでファクタリングを利用しようとする場合、通常は「支払いが不可能な状態」になっているでしょう。それにもかかわらず「後に支払いをするフリ」をして資金調達を申し込むとやはり「詐術」になってしまう可能性が高いからです。すると代表者個人に関しては債務を免除してもらえず、破産手続き後も全額支払わねばなりません。

非免責債権になる

二重譲渡した場合も偽造、変造のケースと同様に「悪意で加えた不法行為」となる可能性が濃厚です。二重譲渡をすると「詐欺罪」が成立するので、ファクタリング会社は代表者に対して損害賠償請求できる状態になります。

詐欺にもとづく損害賠償請求権は自己破産をしても免責されない「非免責債権」となるので、代表者が破産しても免除してもらえません。結局、会社が破産しても代表者は個人的にファクタリング会社が被った損害を賠償しなければならないのです。

請求書偽造、二重譲渡すると「元代表者」が支払わねばならない

以上のように、請求書を偽造したり二重譲渡したりしてファクタリング会社をだましたら、会社は破産できても代表者個人は破産できないリスクが発生します。

破産後、ファクタリング会社から訴訟を起こされたら、元代表者名義の預金や不動産、保険などが差し押さえられます。破産後どこかの会社に勤務していたら、給料も差し押さえ対象になります。

免責が許可されなければファクタリング以外の負債も全部残ってしまい、一生かかっても返せないリスクも発生するでしょう。ファクタリングを申し込む際、不正行為は絶対にやってはいけません。

請求書偽造や二重譲渡で「犯罪」が成立する

請求書や契約書の偽造変造、二重譲渡などを行うと「犯罪」が成立するリスクも発生します。

警察に逮捕されたり一生消えない「前科」がついてしまったりするので要注意です。

偽造や二重譲渡によって具体的にどのような犯罪が成立するのか、みていきましょう。

有印私文書偽造罪

有印私文書偽造罪は、「他人名義の印鑑ありの書類」を「勝手に作成したとき」に成立する犯罪です

たとえば請求書とセットで取引先名義の「請書」を勝手に作成した場合や、自社と取引先の双方が署名押印している架空の契約書を作成した場合、私文書偽造罪が成立します。

一方、自社名義の請求書を作成しただけであれば、私文書偽造罪になりません。

有印私文書偽造罪の刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役刑です

有印私文書変造罪

有印私文書変造罪は、他人名義の文書を「勝手に書き換えたとき」に成立する犯罪です。

たとえば取引先がすでに記名押印している書類を勝手に書き換えて「請書」や「契約書」などに見せかけた場合、金額を勝手に書き換えた場合などには変造罪が成立する可能性があります。

なお自分名義の文書の書き換えは変造罪になりません。

変造罪の刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役刑です

偽造(変造)私文書行使罪

偽造、変造した文書を「行使」すると、「行使罪」という別の犯罪が成立します。

偽造私文書行使罪や変造私文書行使罪の刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役刑です

行使罪には未遂罪もあるので、ファクタリング会社が偽造や変造に気づいてファクタリングの審査に落ちた場合にも処罰される可能性があります。

詐欺罪

請求書や契約書を偽造、変造してファクタリング会社へ提出した場合や債権の二重譲渡によってファクタリングを受けた場合「詐欺罪」も成立します。

詐欺罪は、「欺罔行為」によって相手を「錯誤」に陥れ、相手が「処分行為」を行って「財産上の給付」をしたときに成立する犯罪です。

詐欺罪とは
  • 欺罔行為…相手をだます行為
  • 錯誤…勘違い
  • 処分行為…財産を処分する行為
  • 財産上の給付…何らかの財産的価値が移転すること

簡単にいうと、相手をだまして金銭などの財産的価値のあるものを受け取ったら詐欺罪になります。

偽造文書や変造文書を使ってファクタリングを申し込む、あるいは二重譲渡であることを隠してファクタリングを申し込む行為は「欺罔行為」といえます。

ファクタリング会社は、真実を知っていたら譲渡代金を支払わないでしょうから、知らずに給付した時点で「錯誤」に陥っています。譲渡代金の交付は「処分行為」といえますし、ファクタリング会社から申込会社へ「財産上の給付」があったといえるでしょう。

以下のような場合にも詐欺罪が成立します。

自分名義の請求書を偽造(架空の内容の請求書を作成)した場合

私文書偽造罪にはなりませんが、ファクタリング会社に提出して審査に申し込んだ時点で詐欺罪が成立します。

銀行預金通帳を偽造した場合

一個人が架空の預金通帳を0から作り出すのは非常に困難ですが、最新技術を用いれば不可能ではありません。コピーなら比較的簡単に作出できますし、ネット銀行の明細書、残高証明書などはより簡単に作成できるでしょう。

自分名義の架空の銀行預金通帳や残高証明書を作成してファクタリング会社へ提出すると「私文書偽造罪」と「行使罪」が成立します。預金通帳は「銀行が発行する書類(銀行が名義人)」だからです。また、ファクタリング会社をだます結果になるので「詐欺罪」も成立します。

詐欺罪の刑罰は10年以下の懲役刑です。また詐欺罪にも未遂罪があるので、ファクタリング会社が途中で偽造や二重譲渡に気づいて実際には資金調達を受けられなかったとしても、詐欺未遂罪によって処罰される可能性があります。

契約違反のペナルティ

偽造した文書を使ってファクタリングを受けたり二重譲渡によってファクタリング会社をだまして資金調達したりすると「契約違反」になります。

ファクタリング会社から損害賠償請求されたり、契約を解除されて資金の返還を求められたりするでしょう。詐欺罪などの犯罪が成立するので刑事告訴されるリスクも高まります。

まとめ

ファクタリングを申し込むときに偽造、変造した請求書や契約書を提示したり債権を二重譲渡したりすると、会社自身は自己破産できても代表者個人が免責されないリスクが高まります

刑事的な犯罪も成立し、懲役刑が適用されるリスクが高いので絶対にしてはなりません。

今後ファクタリングを利用する際の参考にしてみてください。

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