ファクタリングで請求書や通帳の偽造、二重譲渡は”懲役がつく犯罪”。刑罰や該当する行為を元弁護士が解説

ファクタリングで請求書や通帳の偽造、二重譲渡は”懲役がつく犯罪”。刑罰や該当する行為を元弁護士が解説

本記事では「ファクタリング会社に偽造書類を提出したり、同じ債権で複数のファクタリング会社からお金を受け取ったら(二重譲渡)どんな犯罪が成立するの?

という疑問にお答えします。

どうしても資金調達を受けたい場合、審査に通るために「偽造」してしまう方が少なくありませんが、結論としては書類の偽造は犯罪になるので、絶対にやってはなりません

債権の二重譲渡も「詐欺罪」になる可能性があります。

今回はファクタリングを申し込むときの「偽造」や「二重譲渡」でどのような犯罪が成立するのか、どのくらいの刑罰になるのかお知らせします。

この記事の概要 – 偽造や二重譲渡で成立する犯罪 –
  • 運転免許証やパスポートの偽造は公文書偽造、行使罪→1年以上10年以下の懲役刑
  • 通帳や契約書、請書の偽造は私文書偽造、行使罪→3ヶ月以上5年以下の懲役刑
  • 偽造した資料によるファクタリングの申し込みや二重譲渡は詐欺罪→10年以下の懲役刑
  • 他人名義の通帳を譲り受けてファクタリング会社へ提示した場合は犯罪収益移転防止法違反→1年以下の懲役または100万円以下の罰金または併科(通帳を売った人も共犯になる)
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ファクタリングとは

ファクタリングとは売掛債権(請求書)の買取サービスです。先払い、請求書買取サービスとも呼ばれたりします。売掛債権の流動化を行うことで、手元に現金を確保します。借りない資金調達とも呼ばれております。

詳しくはこちらを参照ください。

目次

ファクタリングで必要な書類

ファクタリングを申し込むときには、以下のような書類が必要です。提出資料にもとづいて審査が行われるため、不備があると資金調達できない可能性もあります。

請求書、見積書

本当にファクタリング会社へ譲渡できる売掛債権があるのか確認するため、請求書や見積書が必要です。

基本契約書、売買契約書

請求書や見積書に代えて、取引先との基本契約書や売買契約書、建築請負契約書などの書類を提出しなければならないケースもあります。

預金通帳

取引先との間でこれまでどのくらいの頻度でどの程度の金額の取引をしてきたのか、きちんと入金されてきたのかなど「取引先の信用力」を確認するために事業で使っている通帳のコピーを提出する必要があります。

取引先との付き合いが長く支払いを受けられる確実性が高ければ、審査に通りやすくなります。

決算報告書

申し込み企業の規模やこれまでの実績、保有している売掛債権の金額などを把握するために法人税の決算報告書を提出しなければなりません。

商業登記簿謄本

法人が存在している事実を確認して架空の申込みを防止するため、商業登記簿謄本が必要です。

代表者の身分証明書

なりすましによるファクタリング申し込みを防止するため、代表者の運転免許証やパスポートなどの身分証明書が必要です。

印鑑証明書

実印であることを証明するため、法人と代表者個人の印鑑証明書も用意しましょう。法人の印鑑証明書は法務局で、代表者個人の印鑑証明書は居住地の市町村役場で取得できます。

どうしてもファクタリングを受けたいからといって「請求書や契約書」「運転免許証」「預金通帳」などの書類を偽造したり、1つの債権を2社以上のファクタリング会社へ譲渡する「二重譲渡」を行ったりすると「犯罪」が成立します

具体的にどのような行為がどういった種類の犯罪になるのか、法律的な観点からみていきましょう。

請求書を偽造した場合の犯罪

請求書の偽造は非常によくあるトラブルです。架空の債権をでっち上げたり金額を書き換えたりしてファクタリング会社へ提示するとどのような犯罪が成立するのでしょうか?

偽造罪にはならない

自社名義人となっている請求書や見積書をねつ造した場合、「偽造罪」は成立しません。

偽造罪が成立するのは、基本的に「他人名義の書類」を勝手に作成した場合だからです。

請求書や見積書は「自社名義」なので、架空の内容を記入しても偽造罪にはなりません。

詐欺罪が成立する

ただし架空の債権をでっちあげた請求書や見積書を作成してファクタリング会社へ提出すると「詐欺罪」が成立します。架空債権によってファクタリング会社をだまし、資金調達を受けるためです。

詐欺罪の刑罰は10年以下の懲役刑で、罰金刑はありません。

請書や契約書を偽造した場合の犯罪

取引先名義の請書や売買契約書、基本契約書などの書類を偽造すると何罪になるのでしょうか?

この場合「私文書偽造罪」が成立するケースが多数で、ときには「公文書偽造罪」が成立する可能性もあります。

私文書偽造罪

私文書偽造罪とは、民間人が作成する文書を偽造する犯罪です。

請書や契約書には「取引相手」が記名捺印しますが、相手方の記名押印部分を勝手に作成すると「私文書偽造罪」になります。

偽造した私文書をファクタリング会社へ提示してファクタリングを申し込むと「偽造私文書行使罪」が成立します。

私文書変造罪

実際に取引相手が記名押印した請書や契約書の数字や日付を勝手に書き換えると「私文書変造罪」になります。変造とは、他人名義の書類を勝手に書き換える犯罪です。

たとえば債権額を高く見せかけるために「0」を1つ増やしたら私文書変造罪となり、変造した私文書をファクタリング会社へ提示すると「変造私文書行使罪」が成立します。

私文書偽造、変造罪の刑罰

私文書偽造罪、変造罪、行使罪の刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役刑です。

公文書偽造罪になるケース

取引相手が国や自治体の契約書を偽造すると、場合によっては「公文書偽造罪」が成立する可能性もあります

自治体や国が作成名義人となる文書は「公文書」であり私文書よりも信用性の高い重要書類です。偽造すると私文書偽造罪よりも責任の重い「公文書偽造罪」が成立します。

たとえば建設業者などの場合、自治体との取引がある場合も多いでしょう。自治体との架空の契約書を作成したり数字や日付を書き換えたりすると「公文書偽造罪」や「公文書変造罪」が成立するのでやってはいけません。

偽造・変造した公文書をファクタリング会社へ提出すると「偽造(変造)公文書行使罪」が成立します

公文書偽造、変造、行使罪の刑罰

公文書偽造罪、変造罪、行使罪の刑罰はいずれも1年以上10年以下の懲役刑です。

運転免許証を偽造した場合の犯罪

ファクタリングを申し込むときには、申込み会社の代表者の本人確認書類が必要です。

ただ代表者に信用がない、素性を明かしたくないなどの事情がある場合「なりすまし」によって他人名義の運転免許証やパスポートを偽造してファクタリング会社へ提出してしまう人もいます

運転免許証やパスポートなどの公的な身分証明書を偽造したら何罪が成立するのでしょうか?

公文書偽造、行使罪

運転免許証やパスポートは公安委員会や国などの公的機関が発行する文書なので、偽造すると「公文書偽造罪」が成立します。偽造した免許証やパスポートをファクタリング会社へ提示すると「偽造公文書行使罪」となります

刑罰は1年以上10年以下の懲役刑です。

通帳を偽造した場合の犯罪

ファクタリングを申し込むときには、これまでの取引履歴を明らかにするため銀行預金通帳も提出しなければなりません

取引実績がなかったら、審査に落とされてしまう可能性が高くなるので、通帳や取引履歴まで偽造してしまう方がおられます。

私文書偽造、変造、行使罪

銀行預金通帳や取引履歴を偽造した場合には「私文書偽造罪」が成立します。

預金通帳や取引履歴は「金融機関」が発行する書類だからです。

内容を書き換えた場合には「私文書変造罪」となります。

偽造、変造した通帳をファクタリング会社へ提出すると「偽造(変造)私文書行使罪」が成立します。

以上の犯罪に適用される刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役刑です。

他人名義の通帳を譲ってもらった場合の犯罪

ファクタリングを利用するとき、自社の取引先では信用を得られないので他社名義を利用して申し込もうとする人がいます。通帳も他社名義のものを利用して審査に申し込んだらどのような犯罪が成立するのでしょうか?

他人名義の通帳を譲り受けると「犯罪収益移転防止法違反」になります。有償譲渡の場合だけではなく無償譲渡も犯罪です。犯罪収益移転防止法違反の刑罰は1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑または併科となっています。

また、譲り受けた側だけではなく譲り渡した側にも犯罪が成立するため、協力してくれた相手にも迷惑をかけてしまいます。

通帳の譲り受け、譲り渡しは絶対に行ってはいけません。

偽造したら「詐欺罪」も成立する

契約書や通帳、運転免許証などの各種書類を偽造してファクタリング会社へ提出すると「文書偽造罪」や「偽造文書行使罪」だけではなく「詐欺罪」も成立するので注意が必要です。偽造や変造した文書によってファクタリングを受けると、「ファクタリング会社をだました」ことになるからです。

ファクタリング会社としては当然「真実を知っていたら審査に通さず資金を融通しなかった」でしょう。それにもかかわらず申し込み企業が虚偽を告げてファクタリング会社を錯誤に陥れたために資金を融通させた点で「詐欺」となるのです。

詐欺罪には未遂罪もあるため「偽造した文書をファクタリング会社へ提示した時点」で犯罪が成立します。ファクタリング会社が途中で気づいて審査に落とされたとしても、「詐欺未遂罪」で処罰されるのでくれぐれも注意してください。詐欺未遂罪の刑罰も基本的に詐欺罪と同じ10年以下の懲役刑です。ただし未遂罪の場合、裁判所の判断で罪を減刑してもらえる可能性があります。

偽造罪と詐欺罪が両方成立したら刑罰は合算される?牽連犯とは?

偽造、変造した文書をファクタリング会社へ提示すると「偽造罪(変造罪)」「行使罪」「詐欺罪」がすべて成立します。

この場合、「刑罰」はどのように計算されるのでしょうか?

このように複数の犯罪が同時に成立する場合、刑罰は「合算」されません。成立する犯罪の刑罰のうち「もっとも重いもの」が適用されます。この考え方を法律上「牽連犯(けんれんぱん)」といいます。

たとえば契約書を偽造して私文書偽造罪と偽造私文書行使罪と詐欺罪が成立する場合、適用される刑罰は3ヶ月以上10年以下の懲役刑となります。刑期の短期は私文書偽造罪や行使罪の3ヶ月が重く、長期は詐欺罪の10年間が重いためです。

運転免許証を偽造してファクタリングを受けた場合には「1年以上10年以下の懲役刑」が適用されます。公文書偽造罪の短期が1年で、長期は公文書偽造罪も詐欺罪も同じ10年だからです。

二重譲渡した場合の犯罪

ファクタリングを申し込むとき、一つの債権を2社以上に譲渡する「二重譲渡」をしてしまう方も少なくありません

二重譲渡とは

二重譲渡とは、「1つのものを2人の人へ譲る行為」です。

あるファクタリング会社へ債権譲渡した後に別のファクタリング会社へ資金調達を申し込み、同じ債権を譲渡して資金の融通を受けるのが典型的な二重譲渡となります。

二重譲渡が行われると、実際に債権を回収できるファクタリング会社は「どちらか1社のみ」となってしまうでしょう。大きな不利益を受けます。

ときには2社だけではなく、1つの債権を3社、4社へ譲渡してしまう悪質な企業も存在します。

二重譲渡したら詐欺罪が成立する

二重譲渡が行われた場合、後から債権譲渡を受けたファクタリング会社にしてみれば「真実を知っていたら審査に通さなかった」はずです。そこで二重譲渡を行った申し込み会社には「詐欺罪」が成立します。2社目以降のファクタリング会社を「だまして資金調達を受けた」ことになるからです。

また1社目に申し込むときからすでに同じ債権を二重、三重に譲渡して資金調達しようと目論んでいた場合には、1社目に対しても詐欺罪が成立する可能性があります。

偽造や二重譲渡、詐欺と損害賠償

偽造や二重譲渡、詐欺などの犯罪行為によって資金調達を受けると、ペナルティは刑罰だけではありません。当然ファクタリング会社から損害賠償請求されてしまいます。

この場合、元本だけではなく遅延損害金も加算されるため、融通を受けた金額よりも大きな額を払わねばなりません。

訴訟を起こされれば弁護士費用も加算される可能性があります。弁護士費用は通常、認容される損害賠償額の10%です。

刑事的な罰則が適用されて前科がつくだけではなく、莫大な損害賠償請求をされて倒産のリスクが大きく高まるので、ファクタリング申込みの際の不正は絶対に行ってはなりません。

不正行為と自己破産

ファクタリングを申し込む際に偽造や二重譲渡、詐欺などの不正行為をすると、自己破産との関係でも問題が生じるので順番にみていきましょう。

まず不正行為をしたせいで債権者であるファクタリング会社がさまざまな主張を行い、破産手続きが難航する可能性が高まります。破産管財人による調査も厳しくなるでしょう。

また代表者が個人破産する場合「免責不許可事由」に該当して個人の免責が認められない可能性があります。たとえ免責されたとしても、ファクタリング会社へ対する債務が「非免責債権」となり、その分だけは自己破産後も支払わねばならないリスクが高くなってしまうでしょう。

つまり不正行為を行うと、自己破産をしても負債が免除されず、一生かかっても支払わねばならない可能性があるのです。

偽造や二重譲渡と自己破産の関係についてはこちらの記事に詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

以下の記事にリンク

(元弁護士が解説) 請求書偽造/二重譲渡でファクタリングを行った後の自己破産 ~ 破産財産に含まれるのか?

まとめ

ファクタリングを利用するとき、免許証や預金通帳、契約書などの書類を偽造すると私文書偽造罪や行使罪、詐欺罪などの犯罪が成立してしまいます。二重譲渡も詐欺罪になるのでやってはいけません。

刑罰を受けると一生消えない「前科」がついてしまいますし、自己破産すらできなくなって一生かかっても支払わなければならないリスクが発生します。

不正を行わず、適正な方法で安全にファクタリングを利用しましょう。

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