金融取引には「貸金業法」「利息制限法」「出資法」といった法律が適用されます。
消費者金融やローン会社、カード会社や銀行などは上記の法律に従って運営しなければなりません。
一方、ファクタリング会社は「貸金業者」ではないので、上記の法律は原則として適用されません。ただし一定のケースでは「ファクタリング取引も実質的に金銭消費貸借契約である」と判断されて、貸金業法や利息制限法などが適用されるケースもあります。
今回はファクタリング取引に貸金業法や利息制限法、出資法が適用されない理由や例外的に適用されるケースについて、解説します。
- 貸金業法、利息制限法、出資法とはどんな法律なのか
- ファクタリング取引に貸金業法、利息制限法、出資法が適用されない理由
- 例外的にファクタリング取引に貸金業法、利息制限法、出資法が適用されるケース
- ファクタリング取引に貸金業法、利息制限法、出資法が適用されたらどうなるか
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貸金業法、利息制限法、出資法とは
貸金業法とは
貸金業法とは、営業行為として金銭貸付を行う業者を管理し適正な方法で貸金業務を行わせるための法律です。
貸金業者は必ず都道府県や財務局で貸金業の「登録」をしなければなりません。無登録で貸金業を営むと貸金業法違反となり、「10年以下の懲役または3000万円以下の罰金刑」という重い刑罰が課されます。貸金業登録せずに違法営業している貸金業者は、いわゆる「闇金」です。
また貸金業者が債務者から取り立てを行う方法も規制しています。たとえば以下のような取り立てを行うと貸金業法違反となります。
- 深夜や早朝の電話や訪問
- 自宅へ取り立てに行ったときに「帰ってほしい」と言われたのに退去せず居座る
- チラシや立て看板などで「金返せ」などと掲示して嫌がらせを行う
- 正当な理由なしに勤務先へ督促
- 支払い義務のない親族などの第三者へ督促、あるいは断られているのにしつこく債権回収の協力を求める
- 弁護士や司法書士が介入した後に本人に督促する
利息制限法とは
利息制限法は、お金を貸し付けるときに適用される「金利」の上限を定める法律です。
貸金業者に限らず個人が貸し付ける際にも適用されます。
具体的には以下の金利が上限となります。
- 元本が10万円未満…年利20%
- 元本が10万円以上100万円未満…年利18%
- 元本が100万円以上…年利15%
上限金利を超える利息は無効となるので、上限を超えて支払われた利息は、利用者へ返還しなければなりません。これが「過払い金請求」です。
なお利息制限法に罰則はないため、上限金利を超えて貸付をしても刑事罰はありません。
出資法とは
出資法は出資や預り金、金利などを取り締まる法律です。出資法には刑事罰が定められているので、出資法を超える利率で貸付をすると逮捕され、懲役や罰金などの刑罰を適用される可能性があります。
出資法は基本的に「年利109.5%」を超える金利で貸付をしたら罰則を適用する、と規定しています。
貸金業者の場合の特則
貸金業者の場合には特則があり、「年利20%」を超える金利で貸付をすると罰則が適用されます。
刑罰は5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金あるいはそれらの併科です。また貸金業者が年利109.5%を超える高金利で貸付を行った場合には刑罰が加重され、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金刑あるいはそれらの併科となります。
ファクタリング取引に貸金業法、利息制限法、出資法は適用されない
貸金業者は必ず貸金業登録をしなければならず、年利20%を超える利率で貸付をすると逮捕されて刑事罰を受ける可能性があります。利息制限法も適用されるので、超過する利率で貸付をすると無効となり、利用会社からの過払い金請求に対応しなければなりません。
しかしファクタリング会社は「貸金業者」ではありません。
ファクタリングの法的性質はあくまで「債権譲渡契約」であり「金銭消費貸借契約」ではないからです。
貸金業法や利息制限法、出資法はあくまで「金銭消費貸借契約」を取り締まる法律であり「債権譲渡契約」には適用されません。
たとえばファクタリング会社が以下のような行為をしても違法になりません。
貸金業登録をしていない
貸金業法が適用されない以上、ファクタリング会社は貸金業登録する必要はありません。実際、貸金業登録にはさまざまな要件を満たさねばならずハードルが高いので、多くのファクタリング会社は貸金業登録をせずに営業しています。
PAYTODAYはより適正に企業運営を行うため、あえて貸金業登録をしている数少ない業者です。
利息制限法や出資法を超過する手数料を適用
ファクタリング取引には利息制限法が適用されないので、制限利率を超過する手数料を課しても違法ではありません。
ファクタリング会社の手数料が利息制限法を超過していても、利用会社は「過払い金請求」ができません。またファクタリング会社の手数料が年利にして20%や109.5%を超えていても、出資法の適用がないためファクタリング会社に刑事罰は適用されません。
実際に多くのファクタリング会社は、利息制限法や出資法の制限利率を大きく上回る手数料を課しています。
貸金業法で禁止される取り立てを行う
貸金業法は、貸金業者が債務者から取り立てを行う方法についても規制しています。
貸金業者ではないファクタリング会社には取り立て規制が及ばないので、基本的には自由な取り立て方法が認められます。ただし暴力的、脅迫的、名誉毀損となる方法など「貸金業法とは別の法律によって違法となる行為」をしてはなりません。
ファクタリング会社は信用情報を参照しない
貸金業者は貸付を行うかどうか判断するとき、申込者の「個人信用情報」を参照します。
個人信用情報にはローンやクレジットの利用履歴が詳細に登録されており、延滞情報や過去の債務整理情報なども掲載されています。
個人信用情報に延滞や債務整理などのネガティブな情報が載っていると貸金業者は審査に通さず貸付を行いません。
ファクタリング会社は貸金業者ではないので、申し込みを受けても対象者の個人信用情報は参照しません。そもそも信用情報機関に加盟していないので、参照する権限も持ちません。
またファクタリング取引で重要なのは「利用企業の資力」ではなく「第三債務者(譲渡される売掛金の相手先)の信用」です。利用企業から支払いを受ける目的でない以上、利用企業の信用を確認しても意味がなく、個人信用情報を確かめる必要はありません。
例外的にファクタリングへ貸金業法等が適用される場合
ときには例外的にファクタリング取引でも貸金業法や利息制限法、出資法が適用されるケースがあります。典型的な例外パターンを3つ、示します。
買戻特約がついている
ファクタリング取引に「買戻特約」がついていると、裁判になったときにファクタリングが「実質的には金銭消費貸借契約」と判断される可能性が非常に高くなります。
買戻特約とは、「第三債務者が債務を支払わないときに利用会社がファクタリング会社から債権を買い戻さねばならない」とする特約です。
第三債務者は以下のような状況になると「不払い」を起こす可能性があります。
- キャンセルや取り消し、解除を主張
- 相殺を主張
- 遅延や夜逃げ
- 倒産
上記のような場合、利用会社は第三債務者から回収ができず、ファクタリング会社へ約束通りに支払いができません。本来なら「債権を譲り受けたファクタリング会社が自力で第三債務者へ請求」して債権回収すべきです。ファクタリング取引は債権譲渡である以上、譲渡債権の権利者はファクタリング会社なので、第三債務者の不払いリスクはファクタリング会社が負わねばなりません。
それにもかかわらず「買戻特約」がついていると、第三債務者が不払いとなったときのリスクを利用企業が負うことになってしまいます。それでは実質的に「お金を借りて返済しなければならない」のと同じ状態になるので、契約の性質が「金銭消費貸借」と認定されます。
結果としてファクタリング取引に貸金業法や利息制限法、出資法が適用されて、ファクタリング取引が違法となります。
利用会社の資産が引当となっている
買戻特約がついていなくても、第三債務者が不払いを起こしたときの「引当財産」が「利用企業の全体財産」となっていると、ファクタリングが金銭消費貸借契約とされる可能性が濃厚になります。
引当財産とは「支払いが行われないときに取り立ての対象になる財産」です。
債権譲渡契約であれば、ファクタリング会社はあくまで「債権を譲り受けただけの立場」です。第三債務者から支払いを受けられなかったとしても第三債務者の財産から支払いを受けるべきであり、利用会社の財産からの取り立てはできません。
しかしファクタリング契約によっては、第三債務者が不払いを起こしたときに利用会社が代わりに弁済しなければならない内容となっている場合があります。
すると引当財産が「利用企業の財産」となってしまい、もはや債権譲渡契約の範疇から外れてしまうと考えられます。
このように「利用者の財産全体」が引当になるなら「金銭消費貸借契約」と評価されるため、ファクタリング取引に貸金業法や利息制限法、出資法が適用されます。
給与ファクタリングの場合
ファクタリングには大きく分けて「事業者向けファクタリング」と「給与ファクタリング」があります。事業者向けファクタリングは中小企業や個人事業主が資金調達目的に利用する一般的なファクタリングです。
一方、給与ファクタリングは、会社員などの「給料」を債権譲渡するファクタリングをいいます。生活費不足などの目的で利用されるケースが多数です。
労働基準法により、給料は労働者本人へ払われなければならず、そもそも債権譲渡されることを予定していません。また勤務先が倒産しない限りほとんど確実に支払われるもので、回収が不確実な事業者の売掛債権とは大きく異なります。
以上のような理由から給与ファクタリングは「実質的に消費者金融や消費者向けローンと変わらない」といえ、基本的に違法と理解されています。
ファクタリング取引に貸金業法や利息制限法、出資法が適用されたらどうなるか
仮にファクタリング取引に貸金業法や利息制限法、出資法が適用されると法的にどのような状況になるのか、みてみましょう。
利息制限法を超過する手数料が無効になる
利息制限法が適用されるため、ファクタリングの高額な手数料が無効となります。
ファクタリング会社は利用会社に対し、手数料を利息制限法に引き直し計算した結果、超過して支払われた手数料を返還しなければなりません。
過払い金を取り戻すため、利用会社がファクタリング会社へ「不当利得返還請求」を求めて訴訟を起こすケースもよくあります。
公序良俗違反になる可能性もある
ファクタリングが金銭消費貸借契約になると、手数料があまりに高額なために「暴利」と認定される可能性があります。またファクタリング会社は本来貸金業登録をしなければならないのに、無登録で営業していたことになってしまいます。
このように「不当な取引」が行われると、契約自体が「公序良俗違反」で無効になる可能性が高まります。
契約自体が無効になると、利息制限法を超過した部分だけではなく、利用会社がファクタリング会社へ「支払った全額」を返還しなければなりません。
ただしファクタリング契約が実質的に金銭消費貸借だったからといって必ず公序良俗違反になるとは限りません。裁判例でも「利息制限法を超過する手数料の返還は認めるけれども公序良俗違反までは認めない」ものがいくつかあります。
公序良俗違反になるのは、相当悪質な事例に限られると考えましょう。
ファクタリング会社に刑事罰が下される可能性がある
ファクタリング取引が「実質的に金銭消費貸借契約」となり、貸金業法や出資法が適用されると、ファクタリング会社に「刑事罰」が適用される可能性があります。
貸金業登録をせずに違法に貸金業を営み、出資法の制限をはるかに超える利率で貸付を行っていることになってしまうからです。
貸金業法の無登録営業や出資法違反の刑罰は、10年以下の懲役または3000万円以下の罰金、それらの併科などと非常に重いものです。
現に「給与ファクタリング業者」は「闇金と同様」と認識されるようになっており、摘発事例もみられます。